indulge/spoil/pamper “甘やかす”を英語で何というべきか?

日本語の「甘やかす」って意味でよく見かける英語には、spoil,  indulge,  pamper の3つがあるんだけど、これらの単語の意味は結構ちがってるんだ。

今日は、この3つの単語の使いどころと意味の違いを説明していくね。

Indulge Yourself in Pink, in Tokyo/ WAttention Tokyo vol.03

一言で意味の違いを説明するのはなかなか難しいんだけど、あえて言えば次のような感じになるんだ。

spoil
駄目にする(常にネガティブな意味)
indulge
欲しいだけ与える、好きにさせて喜ばせる(良くも悪くも)
pamper
特別に注意を払って親切していい気分にさせる(良くも悪くも)

上の説明では、わざと、「甘やかす」という表現を使わなかったんだ。というのも、「甘やかす」という表現はあいまいだから、それがあることで逆に意味の理解を難しくしてしまうんだ。


これで、だいたいのニュアンスは、つかめたと思うけど、もっとしっかり理解するために、例文と一緒に詳しく説明していくね。

spoil


まずは、いちばん説明しやすい spoil について説明するね。

この spoil って単語は先にも説明したように、駄目にする とか 損なう という意味なんだけど、人に対して、特に子供に対して使うと 甘やかす というニュアンスが含まれるんだ。

例えば次のような場面で使うんだよ。

She's an only child, but they didn't really spoil her.
彼女は一人っ子だったけど、両親は決して彼女を甘やかさなかった。

日本語の 甘やかす もネガティブな意味で使われることが多いけど、英語の spoil は、さらにネガティブで、駄目にする という意味で使われるんだ。

次の例文は、“spoiled child” についての説明だけど、spoil の言葉のニュアンスがよく分かるよね。

A spoiled child, in a derogatory way, is a child or adolescent that exhibits behavioral problems from overindulgence by his or her parents.
 
spoiled child”は、親による過剰な甘やかしが原因で、行動に問題のある子供に対する蔑称です。

spoiled child”は辞書を引くと、駄々っ子 と訳されてることが多いけど、この説明をよむと、駄々っ子よりももっと強いネガティブなイメージだってわかるよね。

ところで、この例文では、overindulgence が原因でspoiled child になると説明しているよね。つまり、indulge自体(過度ではないindulge)は悪いことではないんだ。


次の例文は、spoilの説明でよく取り上げられる、聖書の一節について述べている文だよ。

And the rationale for this behavior is explicitly religious. The creator of the universe himself has told us not to spare the rod, lest we spoil the child -- this is in Proverbs 13 and 20, and I believe, 23.

体罰を容認する理由は、明らかに宗教的な背景です。「鞭を惜しむと、子どもはだめになる」と創造神は言っています。旧約聖書13章と20章、そして23章に書かれていたと思います。    TEDから引用

これは、spoilの例文としてよく使われる、“Spare the rod and spoil the child”と同じなんだけど、これを読むと、spoil甘やかす ではなく、ダメにする と言う意味だっていうことがよく分かるよね。


次の例文みたいに、spoil + モノ とすると、 甘やかす のニュアンスが全くなくなって、駄目にする という意味だけになるんだ。

We worry that IM, texting, Facebook are spoiling human intimacy, but Stefana Broadbent's research shows how communication tech is capable of cultivating deeper relationships, bringing love across barriers like distance and workplace rules.
 
インスタントメッセージや携帯メール、フェイスブックが人間関係を損なうではないかと心配されていますが、ステファーナ・ブロードベントによる調査結果は、コミュニケーション技術がいかにしてより親密な関係を築き、距離や職場のルールといった障害を乗り越えて愛を育むことができるのか教えてくれます。


次の例文は、なんとも日本語に訳しづらいけど、spoil はこんな使い方もできるんだ。

you're spoiling me
誰に特別な扱いを受けた時のお礼として。(冗談として)


indulge


つづいて indulge について説明するね。

この indulge の意味もあえて一言でいうと甘やかすってことなんだけど、それでもピッタリな訳ではないんだ。

説明しにくいんだけど、「良い悪いにかかわらず、欲しいことをなんでもやってあげる」って感じかな。例えば、次の例文のように使うんだ。

His mother spoiled him, indulging his every whim.
彼の母親は、なんでも与えて彼を駄目にした

spoilを説明した時の例文にあったけど、indulgeには「良い悪い」の概念がなくって、つまり、次の例文みたいに、場合によっては程よくindulgeすることは必要だよねって感じで使われるんだ。

about healthy ways to indulge and reward your kids as we discuss “When Should You Indulge Your Kids?”
「どんな時に子供を甘えさすべきか?」で、正しい子供の甘やかし方、ご褒美の与え方について話し合いました。

また、“indulge me”と言う表現も、よく見かけるよ。これまた、説明しづらいから以下の例文を読んでニュアンスと使いどころを覚えてね。

次の例文は、Pinterestのレピシ検索機能についての説明文だよ。

An “indulge me” option is also available, for when you’re looking for something not quite as healthy,
 
また「indulge me」というラジオボタンもあり、これを選ぶと「ヘルシーさは無視」したレシピを検索することができる。

このサイトは、健康を考慮したレシピを紹介してくれるんだけど、この“indulge me”オプションを選ぶと、健康を度外視したメニューも紹介してくれるんだ。

いわば、「良し悪しはおいといて、とにかく私を満足させて」ボタンというところだね。


次の例文も、なんとも訳しづらいけど、妻のためになんでもしてくれる優しい旦那のイメージだよ。

My husband is so sweet, he always indulges me on Sundays ,and brings me breakfast in bed.
 
私の旦那はとっても優しいのよ。日曜日には私に何でもしてくれるし、朝食をベットまで運んできてくれるのよ♡



if you'll indulge me”と言う表現も良く聞くけど、これは、何かを話し始める前につける決まり文句みたいなものなんだ。

意味は、「もしよろしければ聞いて下さい」みたいな感じで、「これから話すことは、あなたにとって退屈かもしれないですが、どうか時間をさいて聞いて下さい」という謙遜したニュアンスなんだよ。

次の例文では、司会者が「スピーチを終わる時間だ」と言ったけど、話し手が「もうちょっと話しさせて」とお願いしてる場面だよ。

“You're off, you're off. That's it. He's out of time.”
“I've just got a little tiny bit more if you'll indulge me.”
“Go ahead. I'm going to stay right here though.”

司会者「はい、もう終わりだよ。持ち時間は終わりだ。」
話し手「よければ、もう少しだけ。」
司会者「いいよ、でもここにいるから。」


ちなみに、司会者は、舞台の袖から出てきてこの発言をしているから、最後に「でもここにいるから」と言ってるんだよ。

次の例文も、同じ使い方だ。

So, if you will indulge me, I will share quickly with you a bit of verse, which I memorized as a young girl at 16 years of age.
 
もしよかったら、ちょっとこの詩の一部をご紹介します。これは私が16歳の時に覚えたものです。

この例文では、スピーチのなかで、本題からちょっと脱線した話をするまえに、かるくその断りを得る(といったら大げさだけど)ために、この表現を使ってるんだよ。


あと、よく見かけるのは、次の例文のような旅行会社とかホテルの謳い文句だね。

Indulge in gourmet dining experiences around the world.
世界中のグルメを思う存分楽しもう

上の例文では indulge 思う存分楽む と訳してるけど、~を楽しむ と言う場合は、“indulge in ~”をと言う風に in を使うんだ。

もしくは、次の例文みたいに、“indulge oneself” を使うんだよ。

Indulge yourself in the sunlight shining in through the big windows and enjoy your time relaxing.

大きな窓からふりそそぐたっぷりの光を満喫し、くつろぎの時間をお楽しみ下さい。

こういう使われかたの場合は、上の例文みたいに、思う存分楽しむ とか 満喫する とか、耽る貪る という訳がピッタリなんだ。


pamper



最後に、pamperについて説明するね。

この pamper は、indulge とよく似てるけど、日本語で言うところの、「もてなして気分よくさせる」ことを、もっと強く積極的にしたようなイメージだよ。

例えば、英英辞書にはこんな説明がのってるんだ。

pamper
To treat with excessive indulgence.
pamper”とは、過度に何でもわがままさせて面倒をみることです。

ここでのポイントは treat で、積極的に何かをしてあげるということなんだ。そう、このpamperには、注意を向ける、とか、面倒をみる ってニュアンスが込められてるんだ。


次の例文では、“over pampering”で、過保護を表現してるね。

There is a fine line between serving out of love and over pampering.
愛情を注ぐことと、過保護にすることは紙一重です。

つまり、逆にいうと、pamper って単語自体は日本語でいうところの「過保護」ほど、ネガティブな意味をもってないと言うことなんだ。次の例文では、それがよく分かるよね。

Q;Should parents pamper children?
A;Of course, Pampering is a part of parenting.
A child needs care and attention for proper personality development.
 
親は子供を甘やかすべきですか?
もちろんです。甘やかすことは、親としてすべきことの一つです。
子供が人として成長するのに、関心をもって世話をすることは必要なことです。


ここでは、pamper甘やかすって訳しちゃったけど、おなじ甘やかすって意味のindulge が「わがままを聞いてあげる、好きにさせてあげる」の意味合いが強いのに対して、pamper は、「積極的に関心をはらって親切にする」ってイメージが強いんだ。

おなじ「甘やかす」でも、こんなニュアンスの違いがあるんだよ。


あと、“pamper party”っていうパーティがあって、簡単に言うと、女性たちが集まってエステを満喫する会のことなんだけど、Wikipediaには、次のように説明されているよ。

A pamper party (or pampering party) is a female-oriented party where each guest receives beauty and massage treatments and generally spends time indulging and pampering themselves.
 
pamper party”とは、女性たちによるパーティで、エステやマッサージを受けて、癒やしと満足の時間を過ごすことです。

この例文では、indulgepamper 使われてるんだけど、僕の語彙が貧弱なせいか、とにかく日本語に訳し辛いんだ。ここでは、「癒やしと満足の」って訳しちゃったけど、実は、自分でもいまいちしっくり来てないんだな。

でも、表現したいイメージはハズレてはないと思うから、自分なりに訳を考えてみてね。


ちなみに、“pamper myself”って、「自分へのご褒美」ってニュアンスが近いかなと思うよ。


あと、indulgeと同じように、次の例文のようにホテルのパンフレットなんかでもよく使われるんだ。

Leading up to the wedding, let The Spa at Mandarin Oriental, New York pamper you and leave you feeling rejuvenated, relaxed and at your peak of perfection.
 
ウェディングに向けて、マンダリンホテルのスパでは、格別のおもてなしで、癒やしとくつろぎを提供させて頂き、あなたを最高の状態に誘います。

この例文では、pamperを 格別のおもてなし って意訳しちゃったけど、イメージは伝わったと思うよ。


そう、indulge も pamper も、日本語の「おもてなし」に通じるものがあるんじゃないかと僕は思ってるんだ。

ひょっとすると、日本に旅行に来て、日本流の過剰とも言える「おもてなし」を体験したアメリカ人は、その体験を“pamper”と表現しているかもしれないね。


サ~ンキュ~!
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