compromise “情報漏洩”を英語で何というべきか?

本来は本人しかアクセス出来ないはずの、秘密のプライベート写真が、インターネット上で盗まれて公開されるような事件とか、Lineのアカウントを乗っ取って、他人になりすましたりするような事件が最近おおいよね。

こういう時に“compromise”って英語が使われているのをよく見かけるけど、一方で、 “compromise”といえば、まず思いつくのは「妥協」って意味だよね。


でも“compromise”には、「危険にさらす」っていう意味もあって、「機密情報の漏洩」とか「不正アクセス」って意味でよく使われるんだ。

今日は、この“compromise”がどんな文脈で使われているか書いていくね。

「妥協」の意味の“compromise”


この意味での“compromise”は、日本語の「妥協」とイコールと覚えとけばいいと思うよ。

次の例文は、新しいWindowsの開発者の言葉だよ。

The arguments for a “clean slate” are well known, both for and against. We chose to take the approach of building a design without compromise.
 
「白紙」の議論は賛否両論よく知られています。われわれは、妥協なきデザインを作るアプローチを選択したのです。

次の例文は、ある建築家によるスピーチの一部だよ。

I think architecture is about consensus. And it is about the dirty word "compromise." Compromise is not bad. Compromise, if it's artistic, if it is able to cope with its strategies it's not that far away.
 
建築とは合意のことです そして汚れた言葉「妥協」のことです 妥協は悪くありません 妥協は、もし芸術的ならば もしそれが戦略に対抗できればそう違いはないのです

この例文では、“compromise”を「汚れた言葉」と表現して、建設的な意味の“consensus”と対比してるよね。

つまり、“compromise”には日本語の「妥協」と同じように一定ネガティブなイメージがくっついてるんだ。でも、実際には「妥協」よりはポジティブで、“Give and Take”に近い感じなんだよ。

「セキュリティ」に関する“compromise”


こっちの意味での“compromise”は辞書を引いてもあんまり詳しく載ってないんだけど、とにかく最近、IT関連のセキュリティに関する文脈でよく見かけるんだ。

意味や使われ方は、「ハッキング」や「情報漏洩」に近いと思うんだけど、僕なりに解釈するとこんな風なかんじになるかな。

compromise
「本来、セキュリティに守られているデータが不正にアクセスされて、個人の秘密の情報(パスワードとか写真とか)が危険にさらされている状態」にすること

とは言っても、なかなか伝え辛いから例文をよんでニュアンスをつかんでね。


次の例文は、Facebookの関連機能からメールアドレスの情報が盗まれそうになったときの話だよ。

The hole was quickly patched, and no user data was compromised.
 
そのセキュリティホールは早急にパッチされ、実際に被害に遭ったユーザデータは存在しない。

例文では、“~ be compromised”で、「被害にあった」と訳してるけど、 「ユーザ個人情報は漏洩していない」という意図だね。

こんな風に、“compromise”って、その文脈で多種多様な日本語に訳されることが多いから、よけいに分かりづらいんだけど、どんな場合でも前述の僕の「超長訳」は当てはまると思うよ。


次の例文は、Twitterからのパスワードが漏洩したときのアナウンスだよ。

As part of that commitment, in instances we believe an account may have been compromised, we reset the password and send an email letting the account owner know this has happened along with information about creating a new password.
 
その努力の一環として、ユーザーのアカウントの安全性が損なわれた疑いがある場合は、パスワードをリセットし、メールでその旨ユーザーに通知し、パスワードを再設定するようお願いしています。

ここでは、“compromise”を「安全性が損なわれた」と訳してるね。


次の例文はFacebookからアカウントが漏洩した時のものだよ。

Dropbox has pointed the finger of blame for the 400 compromised accounts elsewhere - at “unrelated” third party services - stressing that its own security has not been compromised.
 
Dropboxは本物とわかった最初の400件のアカウント情報についても、「Dropboxとは無関係なサードパーティーのサービスから漏洩したもので、Dropbox自体から盗まれたものではない」としている。

ここでは、“compromise”を「漏洩」とか「盗まれる」と訳してるね。


これまでの例文を読んで気がついたと思うけど、“compromise”って単語はほんとうにいろんな日本語に訳されてるよね。

これは“compromise”相当する日本語がないから、こんなに多種多様な訳になっちゃうんだけど、あえて言えばやっぱり「ハッキング」だね(これも日本語じゃないんだけどね...)、もしくは、「情報漏洩」だ。


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